吉本鉄工所に製作を依頼したティンパニ。代金は300円。
その蓋(ふた)は木製で、
「使用後は必ずネヂをゆるめておくこと(革のため)」
と書かれてあります。

当時の指揮者、浜田善三郎氏が持っていたカタログから寸法を採り、
また氏は鉄工所に通い詰めて監督をしたようです。
昭和7年5月4日に発注され、なんと一週間で仕上がりました。
第1回定期演奏会は同年5月14日ですから、
このティンパニが未完成を演奏したということであり、
そしてこの楽器は、高知交響楽団のほとんどすべてを見つめ続けていたことになります。
ちなみに皮は三木楽器店に発注したと記録されています。