昭和37年(1962年)

創立30周年記念演奏会
5月12日(土)7時 高知市中央公民舘

1 交響曲 第8番口短調「未完成」(シューベルト)
2 合唱 イ.「メサイヤ」よりハレルヤ(へンデル)
     ロ.流浪の民(シユーマン)
     ハ.天地創造より(ハイドン)
        合唱 フラワーソングクラブ
           高知大学混声合唱団
3 ピアノ協奏曲 第26番「戴冠式」(モーツァルト)
          独奏 中沢和子
4 交響譚詩(伊福部昭)

          指揮 浜田善三郎

前売60円
学生50円
当日70円
学生60円

入場者 1300人
  収入 76220円
  支出 85270円
  欠損  9050円

中沢和子嬢は昭和14年高知市生まれ。城西中学、東京芸大附属音楽学校、東京芸大ピアノ科卒(昭和36年)。

創立満30年を祝して      清 瀬 保 二

地方の交響楽団が、30年もの歴史をもつことは珍らしい。中央から遠く交通不便の地で、と考えると、余程よい指導者と本当の音楽愛好家が集っていたのであろう。事実、昨夏御地を訪れ練習場で古城会長、団員の方々から苦心談を聞きその雰囲気に接し、むべなるかなと思った。邦人作曲家の曲を次々と演奏されてきたことも、音楽を見る眼が生活に根をおろしている証左ともいえる。たゆみない音楽愛好に敬意を表し、満30年をお祝いし今後のよき発展を祈る。

昭和37年5月11日  高知新聞記事より「30周年を迎えた高知交響楽団」

高響の歴史は苦闘の連続だった。創立当時の昭和7年頃は管弦楽用の色々の楽器を知らない人が多かった時代である。この中央から離れている高知の市民に、生で、美しい音楽を毎年欠かさず聴かし続け現在二管編成の立派な楽団となり、古城会長には文部省から功労賞が届き県から県民文化賞も贈られた。N響指揮者山田和男氏は「南国に都ありそして音楽がある」と評し、作曲家清瀬保二氏は「中央から遠い高知にこんな立派な楽団があるとは驚きだ」といっている。労音の進出で中央の楽団がどんどん入って来るようになった現在、高知県の楽団として学校や郡部へまで足を延ばす計画もある。楽団員の抱負は大きい。

室戸市演奏会
7月21日(土)
 7時(一般)
7月22日(日)
 10時半(学生)
室戸小学校講堂

1 交響曲口短調「未完成」(シューベルト)
2 交響譚詩(第一譚詩、第二譚詩)(伊福部昭)
3 イ 円舞曲 ドナウ河の建(イヴァノヴィチ)
   ロ 描写曲 ペルシャの市場(ケテルビー)
   ハ 描写曲 森の水車(アイレンベルグ)
   ニ 行進曲 クワイ河マーチ(アルフォード)

          指揮 浜田善三郎

貸切バス利用 室戸市に一泊し帰る。
高知交響楽団・中村交響楽団 合同演奏会
7月28日 中村高校体育舘 1 フイガロの結婚(モーツァルト)
          演奏 中村交響楽団
          指揮 小島勝
2 交響曲「未完成」(シユーベルト)
          演奏 高知交響楽団
          指揮 浜田善三郎
3 交響譜詩(伊福部昭)
          同上
4 水上の音楽(へンデル)
          演奏 高知・中村合同交響楽団
          指揮 小島勝
出演
 高知交響楽団 40名
 中村交響楽団 38名 計 78名

合同演奏会に寄せて  高知県教育委員会教育課長 山崎清憲

このたび地域の芸術文化向上をはかる趣旨からこの合同演奏会を開催することになりました。30年の歴史をもつ高響と11周年を迎えた中響との合同演奏は誠に意義のあることで地元の音楽普及振興の一助ともなれば幸です。

須崎市演奏会
8月25日 須崎小学校講堂

1 交響曲口短調「未完成」(シユーベルト)
2 交響譚詩(伊福部昭)
3 イ 円舞曲 ドナウ河の漣(イヴァノヴィチ)
  ロ 描写曲 ペルシャの市場(ケテルビー)
  ハ 描写曲 森の水車(アイレンベルグ)
  ニ 行進曲 クワイ河マーチ(アルフォード)

          指揮 浜田善三郎

 
定期演奏会
11月11日(土)
7時
高知市中央公民舘

1 交響曲第95番ハ短調(ハイドン)
2 歌劇「カルメン」第1組曲(ビゼー)
3 管弦楽のための木挽唄(小山清茂)
4 歌劇「ウィリアム・テル」序曲(ロッシーニ)

          指揮 浜田善三郎

出演者 55名

小山清茂氏

大正3年長野県生まれ。長野師範卒業後阿部幸明氏に師事昭和21年音楽コンクール作曲の部第一位入賞、昭和34年芸術祭奨励賞受賞。新音楽の会々員。

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