昭和33年(1958年)

定期演奏会
6月7日(土)
7時30分
高知市中央公民舘

1 歌劇「セヴィリャ理髪師」序曲(ロッシーニ)
2 交響曲 第41番「ジュピター」モーツァルト)
3 山形民謡による ファンタジー(高田三郎)
4 組曲 コーカサス風景(イヴァノフ)

   指揮 浜田善三郎

出演者 53名 聴衆 1200人

作曲者高田三郎氏

大正2年12月18日生。東京音楽学校作曲料出身、山形県近江新田地域で歌われている幻想的な子守唄を主題として作曲され初演は昭和16年東京音楽学校講堂で同校楽団によりへルムート・フェルメル教授指揮の下に行なわれた。

昭和33年10月24日 高知県民ホール 
高知労音主催 チャイコフスキーのタベ 
関西交響楽団 指揮 森正 

幻想的序曲「ロミオとジユリエット」 
舞踊組曲「くるみ割り人形」
交響曲第6番口短調「悲愴」

定期演奏会
11月22日(土)
7時
高知市中央公民舘

1 歌劇「フイガロの結婚」序曲(モーツァルト)
2 交響曲第3番「英雄」(ベートーヴェン)
3 組曲 風景画帖よりの素描(阿部幸明)
   1.表紙絵・舟旅
   2.田園と町
   3.舟歌
   4.よろこびの集い
4 舞踏への勧誘(ウエーバー)

   指揮 浜田善三郎

出演 53名
定期演奏会 高知県民ホール落成記念演奏会
12月8日 県民ホール

交響曲第8番口短調「未完成」(シユーベルト)

   指揮 浜田善三郎

この時落成した県民ホールは、体育舘と共用で音響効果があまり良くないので、その後者楽会に使用されることは少なかった。

昭和33年12月4日(木)高知新聞夕刊 “高知70年史 第21回”の記事より

昭和7年頃は戦争が始まる直前の暗い時代であったが、高知交響楽団は明るい芸術の光をかかげて前進した。古城、橋本、浜田の諸氏が中心であった。古城は祖父伝来の刀を一本70円から100円程で売り、その金350円で必要な楽器を買い、一管編成団員23名で、高知フィルハーモニックオーケストラとして発足した。その当時は洋楽といえば、流行歌とジンタと軍歌、聴衆はコントラバスを見れば何と大きなバイオリンよと感心し、ティンパニを見て炊飯用の圧力鍋にそっくりぢゃと評判した。喫茶店の開業は昭和9年。市内には円タク(乗車賃が1円のタクシー)が走っていたが、ハイヤーが走りだしたのは大正の初に1台だけで、車が田舎道を走っていたら百姓の夫婦があわてて木に登った、という笑い話もあった。ガス会社も大正2年に創業した頃は、ガスは毒ぢゃ爆発するゾ、とささやき合って需要はあまり無かった。現世紀の生活文化が激しい勢でツボミを開き実を結んでゆくこの町々へ、高知交響楽団はベートーヴェンやシューベルトやモーツァルトを送った。その歩みは高知昭和史の伴奏をかなでてきたようである。

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