昭和29年(1954年)

フラワーソングクラブ発表会 賛助出演
2月28日 高知市中央公民館 交声曲「海道東征」
(作詩 北原白秋 作曲 信時潔)
   指揮 橋本憲佳
 
フラワーソングクラブ
元・高知大学教授橋本憲佳氏が教え子達に呼びかけて昭和24年10月に創立し主催しているアマチュアの合唱団で、以来多くの優秀な団員を養成し、全国の合唱コンクールにも度々入賞し、県内だけでなく県外およびアメリカ、ドイツなど海外でも演奏会を開くなど、幅広い音楽活動をしている。
国立池療養所慰問
3月 池療養所 1 歌劇「椿姫」より(ヴェルディ)
2 ピチカートポルカ(シュトラウス)ほか
 
定期演奏会
5月22日(土)
2時・7時
高知市中央公民館 1 交響曲第40番(モーツァルト)
2 合唱
   イ 流浪の民(シューマン)
   ロ オラトリオ「メシア」より(ヘンデル)
        ハレルヤ
      賛助出演 フラワーソングクラブ
3 劇音楽「アルルの女」組曲より(ビゼー)
4 歌劇「セヴィリャの理髪師」序曲(ロッシーニ)
    指揮 浜田善三郎

出演 51名

今回出演メンバーの中には、小学五年生2名、六年生4名、中一2名、中二1名の生徒がVn.1st.と2nd.で活躍した。

入場料40円

高知刑務所慰問音楽会
7月 高知刑務所講堂 1 楽器解説
2 1 ダニューブの漣(イヴァノヴィチ)
  2 ハンガリア舞曲第5番(ブラームス)
  3 組曲(お祭り、お囃子ほか三曲)(清瀬保二)
  4 金婚式(W.L.マリー)
 

受刑者の感想文より

タクトと共に湧き上るハーモニーは、その瞬間私を幻想の世界に引き入れた。一抹の郷愁を誘う祭囃子、晴れ着で母の手にぶら下がって歩いた幼い自分。そして今度は、私が子供の手を引き、妻と共にお祭りの中を歩む。切ない追憶に眼頭が熱くなり涙がにじみ出て落ちる。人間はどこまでも賤しくなれる一面、また神に近づくことも出来る。言い知れぬ感動が息苦しいまでに高まり、私の心は洗い浄められていくのが意識された。

音楽について鑑賞眼のない私ですが、生の演奏を聞くのは音楽を理解するに大切なことで、音楽の特性を考えるとき、全然興味を抱いていなかった者へも多少の理解を与えたと思います。音楽は好きでも音楽会へ行く程ではなかった私がお祭りという曲が流れだすと知らず知らず、心が静まり組曲の一曲が終わる毎に次の曲が待ち遠しかった。演奏された曲の批判は出来ないが、こんなに美しい音楽があったのかと今更のように瞠目する思いで、オーケストラの演奏が好きになり、私の目を耳を開けて下さった楽団の方々に感謝します。
定期演奏会
11月23日
7時
高知市中央公民館 1 序曲 フィンガルの洞窟(メンデルスゾーン)
2 交響曲「新世界より」(ドボルザーク)
3 円舞曲 ウィーンの森の物語(ヨハン・シュトラウス)
    指揮 浜田善三郎
入場料 50円

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