昭和26年(1951年)

国立池療養所 慰問演奏会
2月18日 国立池療養所 1 バグダッドの太守 序曲(ボァェルデュー)
2 ワルツ ドナウ河の漣(イヴァノヴィチ)
3 組曲 お祭り(清瀬保二)
4 ワルツ 金と銀(レハール)
5 ハンガリア舞曲第5番(ブラームス)
    指揮 丸山和雄
 
療養所の「ニュース」第2号より
今更言うまでもなく、こうした生の音楽を聞くチャンスはそう沢山あろうとは思われません。苦しい闘病の一刻を心静かに鑑賞されますように。
「涙によってのみハンガリー人は愉快である。」という言葉通り、ブラームスのハンガリアンダンスは啼泣と憂愁と、そして狂乱の歓喜は特有の魅力があります。音楽は人の耳、心を楽しませるだけでなく、美しい感情を与えるといわれ、名曲によって人々は魂の安らぎを覚え、又その愛情に心を温められます。この不便な所へわざわざ慰問に来てくださった楽団の方々に心から感謝を捧げましょう。
定期演奏会
6月16日(土)
2時半・8時
高知市中央公民館 1 ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」(モーツァルト)
     独奏 森木洋子
2 円舞曲 ウィーンの森の物語(シュトラウス)
3 合唱と管弦楽 オラーフ王(グリーグ)
    合唱 高知合唱協会
4 歌劇「リゴレット」抜粋(ヴェルディ)
     指揮 丸山和雄
出演者 44名。
入場料 一般 15円 学生 10円
入場者 昼夜計 2343人
収入 45864円
支出 28882円
収益 16982円
高知市中央公民館が落成し、昭和26年1月15日に使用開始となった。
高知合唱協会は、学校、職場の合唱団および一般音楽愛好市民により組織された合唱団で、団員は約300名参加している。
合唱と管弦楽「オラーフ王」はクラム博士より借用した楽譜中のもので、おそらく本邦初演のものである。
定期演奏会
11月24日
2時・7時
高知市中央公民館 1 交響曲第1番(ベートーヴェン)
2 ヴァイオリン協奏曲(ヴィヴァルディ)
    独奏 町田映子
3 組曲「ファウストの劫罰」より(ベルリオーズ)
   1 ハンガリー行進曲
   2 妖精の踊り
   3 鬼火の踊り
     指揮 丸山和雄

出演 42名

入場者 1248名

入場料 20円

収入 入場料プロ広告代ほか
        40140円
支出 会場費ほか
        33014円
差引 剰余金
         7126円

独奏者の町田映子嬢は、本楽団の最も良き理解者町田昌直博士の令嬢で、この年6月
にピアノ独奏された森木洋子さんの令妹。当時城西中学校一年生。

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